新しい革靴を買って、期待に胸を膨らませて履いてみたものの、数時間後には足が痛くてたまらなくなってしまった…どなたにもそんな経験が何度かはあるのではないでしょうか。革靴はファッションアイテムとして魅力的ですし、ビジネスシーンやフォーマルな場面では避けては通れない履き物ですが、その硬さやフィットが原因で足に負担をかけることもあります。
靴は眺めて楽しむ芸術品でも、ジュエリーの様な装飾品でもなく、足を守り、いのちを支える道具。だから、FYSKYでは美しいデザインは勿論のこと、機能性や着用時の気持ち良さも大切にしたいと考えています。目指すのは、初めて履くその日から足馴染みが良く、長時間履いても疲れにくい革靴。「革靴は足が痛くなるもの。購入してしばらくは歯を食いしばって履くもの」私たちは革靴に対するそんなネガティブなイメージを変えたいと思っています。
せっかく素敵な靴でも、足が痛くては台無し。この記事では、革靴を履くと足が痛くなる原因と、それを防ぐための対策、FYSKYの取り組みについて詳しく解説します。
FYSKYが挑む「革靴は足が痛くなる履きもの」という固定概念
April 1, 2023
Written By Tetsu
Index
革靴で足が痛くなるのはどうしてなのか?
足が痛くならない革靴とは?
FYSKYの取り組み
1. 革靴で足が痛くなるのはどうしてなのか?
A. 足とのフィットに問題がある
既成の革靴は履く人の足の形に合っていないことが多く、そのために靴の内側の部分が足に当たって痛みを引き起こすことがあります。特に、足の幅が靴の幅よりも広かったり、逆に靴が緩すぎたりする場合、摩擦や圧迫が生じて痛みを感じることがあります。靴が小さいと、つま先や足全体が圧迫され、靴ずれや足の指の痛みを引き起こします。逆に大きすぎる靴では、足が靴の中で動きすぎてしまい、摩擦が生じて痛みや靴ずれを引き起こすことがあります。人それぞれ足の形は違います。特に、幅広の足の方が細身の革靴を履いた際や、甲高の足の方が甲の低い革靴を履いた際には足が圧迫され痛みが生じることが多いです。
B. 革の硬さ
革靴は通常、最初は硬く足に馴染むまで時間がかかることが多いです。新品の革は足の動きに沿って柔らかくなるまで、足に圧力をかけやすく、靴ずれや痛みの原因になります。革靴に使用される革の種類は多種多様ですので、革靴を履き慣れていない方は柔らかい革を選ぶなど、本来であれば革を選ぶことが出来ればベストです。
C. 靴の構造
革靴の中には、サポートやクッションが少ないものもあります。そのため、長時間歩いたり立ったりする際に足に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。足が新しい形状や硬さに適応するまでの間、特に長時間の歩行や立ち仕事をすると痛みを感じることがあります。フラットな靴底やアーチサポートが不十分な靴は、長時間履くと足の疲れや痛みを引き起こします。特に土踏まずのアーチがしっかりサポートされていないと、足全体にストレスがかかります。また、ヒールの高さが合わないと、足の前部に過度な負担がかかり、痛みが生じることがあります。
D. インソールと歩き方の癖
革靴の多くは薄いインソールやクッション性のない構造のものがあり、これが足裏に負担をかけ、痛みを引き起こす原因になります。また、人それぞれの歩き方が、靴に合わない場合もあります。例えば、足の一部に過度の負担がかかる歩き方をしていると、その部分が痛くなりやすくなります。通常の革靴にはこの様な歩き方の癖や身体の歪みを念頭に入れたインソールははいっていないため、負担がかかり、痛みに繋がることがあります。
2. 足が痛くならない革靴とは?
A. 適切なフィット
当然のことではありますが、とにかく革靴が足にしっかりとフィットしていることが重要です。つま先に適度な余裕があり、かかとや甲がしっかりと固定されている靴は、摩擦や圧迫が少なく、痛みを防ぎます。具体的にはつま先には少し余裕があり、指が動かせるスペースがあることが重要です。指先が靴の先端に当たらない程度の余裕(通常0.5cm〜1cm)が理想的。次に、靴の幅が足の幅に合っていることも大切です。足の側面が圧迫されていないことを確認してください。特に幅広の足の人は、ワイドフィットの靴を選ぶと良いでしょう。足の甲の高さに合った靴を選ぶことも重要。甲が高い人は、甲の部分に余裕がある靴や、レースアップタイプの靴を選ぶと良いです。逆に甲が低い場合は、フィット感を調整できるストラップやレースアップのデザインが適しています。最後に、かかと。かかとが靴の中でしっかりと固定されていることも非常に大切です。歩いたときにかかとが浮いたり、靴の中で動いたりしないようにしましょう。かかとがしっかりフィットしていると、靴擦れを防ぐことができます。
B. 柔らかい革
高品質の柔らかい革を使用している靴は、足に優しくフィットしやすく、履き慣れるまでの時間も短いです。柔らかい革は足に馴染みやすく、圧迫感を軽減します。革の柔らかさもフィット感に影響を与えます。柔らかい革は足に馴染みやすく、履き始めから快適です。
C. 靴の構造とクオリティ
高品質な素材としっかりとした製法で作られた靴は、足に快適さとサポートを提供します。革の品質や靴の作りの丁寧さは、履き心地に大きく影響します。革が徐々に足に馴染んでいくため、履き込むほどに自分の足の形にフィットしていきます。特に、手作業で縫い合わせることにより、細かな調整が可能となり、より自然な履き心地を提供します。
D. クッション性のあるインソール
クッション性のあるインソールがあると、足への衝撃を吸収し、長時間の歩行でも疲れにくくなります。特に、アーチサポートがしっかりしているインソールは、足の形状に合った支えを提供します。革靴に適切なインソールが入っていると、足のアーチをサポートし、足全体のフィット感が向上します。足のアーチをしっかりと支えるインソールがあると、足への負担が軽減され、快適さが増します。
3. FYSKYの取り組み
A. フィット感に対する取り組み
FYSKYの革靴のベースは、多くの日本人の足形を研究しオリジナルで開発した木型。この木型を元に製造されたフィッティングサンプルをアトリエでお客様に試着いただくと共に、一人一人の足を測定し、カルテを作成。一人一人のお客様の個性的な足の形や癖に合わせた調整をおこなうことで、痛みや疲れといったストレスを軽減します。
フィッティングの際には特に以下の点を厳しく確認します。
・足全体が快適に収まっているか
・つま先に十分な余裕があるか
・かかとがしっかりと固定されているか
・歩いたときに足が前後に動かないか
・靴の中で圧迫感や痛みがないか
革靴はとにかく靴が足のカタチに合っていることが重要。足のサイズや幅に合わせた靴をつくることで、圧迫感や摩擦を防ぐことができます。またオーダーメイドスーズでは、幅広の足に合わせて幅を広く作る際にずんぐりとしたシルエットにならない様、合わせて足長も長くると言ったデザイン面の細かなケアも可能です。くるぶしがピンポイントで当たる方には、その部分を避ける様な特殊な形状変更も可能です。
B. 革選びに対する取り組み
高品質で柔らかい革は、当然足にも優しく、フィット感も高いものが多くなります。FYSKYでは国内製造のレザーから、フランス(ANNONAY, DU PUY, Degermann, HAAS)、イタリア(ILCEA, Zonta, Guidi, Conceria 800, Conceria la Bretagna)、ドイツ(Weinheimer)、アメリカ(HORWEEN)、英国(Charles F Stead)など海外タンナーのレザーまで、常時幅広い選択肢をラインナップしております。デザイン面だけでなく、普段革靴を履き慣れているか?革靴を履いた際に足が痛くなることが多いか?など、細かくヒアリングをしながら進めていくので、靴や革に詳しくないという方も、是非お気軽にご相談ください。お客様一人ひとりに合った革選びをお手伝いします。
C. ハンドソーンウェルテッド製法
しなやかで履き心地の良い革靴であること。デザインの細部まで融通が利くこと。より多くの部分の修理が可能であること。これらを叶えるため、FYSKYではミシンが発明される以前から受け継がれてきた手作業の伝統技術である、ハンドソーンウェルテッド製法で革靴を製作しています。
ハンドソーンウェルテッド製法で作られる革靴ではウェルトが靴底とアッパーを縫い合わせているため、靴に柔軟性があり、歩く際の動きに対応しやすくなっています。職人の手作業で作られる革靴は、細部まで丁寧に仕上げられており、耐久性と美しさを兼ね備えています。
D. オーダーメイドインソール「FYSKY INSOLE SYSTEM」
FYSKY INSOLE SYSTEMでは、義肢装具士の資格を持つ専門スタッフが、お客様ひとりひとりの足に合ったオーダーメイドのインソールを製作しています。普段履いている革靴の中で、足が崩れた状態にあると、無理に姿勢を保とうとして、足や膝や腰、全身の関節や筋肉に負担がかかります。無理な姿勢が長く続くと、身体全体のバランスが崩れ、膝痛、骨盤の歪み、腰痛や肩こり、頭痛などといった症状がでることがあります。自分の足に合わせて矯正を施すインソールは、足の崩れを補正し、全身のバランスを整えるとともに、知らず知らずのうちにかかっている身体への負担を軽減する効果が期待できます。
この様にFYSKYでは見た目の美しさだけでははなく、足の痛みを極力排することに注力して革靴を製作しています。既製品で足に合う靴がなかなか見つからない方は、是非一度ご相談下さい。